月: 2024年10月

シャンパーニュ、アンリ・ジローのこだわり

【メゾン・アンリ・ジローの歴史】

アンリ・ジローの歴史は、ルイ13世統治下の1625年までさかのぼります。
石灰質、それもチョーク質土壌を基盤とし、良質なブドウの産地として知られていたシャンパーニュ地方でも、グランクリュに認定されているアイ村は昔からとりわけ評価が高く、17世紀にシャンパーニュ造りが始まった頃には多くのメゾンがアイ村のピノ・ノワールを手に入れようと苦心したといいます。王族や聖職者は特に熱心で、フランソワ1世や「アイ卿」と呼ばれたアンリ4世の圧搾場跡がアイ村に位置することからも、彼らの執心が想像されます。 このような時代背景の中、1625年に創業者フランソワ・エマールがアイ村に畑を購入したことから、シャンパーニュ アンリ・ジローの長い歴史は始まりました。

まもなく創業400年を迎えようというアンリ・ジローが現在の姿になるまでに直面した中でも最大の危機は、19世紀中ごろ以降ヨーロッパに侵入したフィロキセラと、第一次世界大戦の戦禍により、ヨーロッパの多くの産地同様ブドウ畑が一時壊滅状態に陥ったことでしょう。しかしこの苦難の事態を乗り越えたのが、エマール家の娘と結婚した10代目当主レオン・ジローでした。現当主クロード・ジローの祖父にあたる彼はマルヌの戦いから帰還するとシャンパーニュ造りの研究に打ち込み、アメリカの台木に継ぎ木するという当時としては最先端の技術を導入しました。シャンパーニュに多大な情熱と愛情を持つ彼は、絶え間ない努力によって畑を復興させました。
レオン・ジローの探究心あふれる精神は12代目当主クロード・ジロー、その娘で13代目当主となったエマニュエル・ジローまで絶えることなく受け継がれ、アンリ・ジローはシャンパーニュのさらなる向上を目指しています。クロード・ジローが1990年にフュ・ド・シェーヌをリリースすると、アンリ・ジローの名は世界中のワイン愛好家に称賛され、名声を博しました。アンリ・ジローがまだ現在のように広く知られていなかったこの頃、ワイン評論家ロバート・パーカーは次のようにコメントしていました。「ほとんど人に知られることのないこのドメーヌは、最高のシャンパーニュメゾンだろう。このハウスのシャンパーニュは、むしろ蜂蜜味のあるブルゴーニュの白に近い。伝統のオーク樽で熟成されたプレステージクラスの『フュ・ド・シェーヌ』はクリュッグのような余韻をもちながら酸化度がより低く、強いボディを感じさせる。ノン・ヴィンテージ シャンパーニュの中でもアンリ・ジローは最高峰の一つといえる。」

繊細にして芳醇、エレガントな飲み心地のシャンパーニュ アンリ・ジローは、創業以来390年余りの時を経て、さらに新たな歴史を刻み続けています。
アイ村のピノ・ノワールの魅力が存分に味わえる類まれなるシャンパーニュ、それがアンリ・ジローです。

シャンパーニュ、アンリ・ジローは、農薬や除草剤、殺虫剤なしで30年以上栽培してきました。そしてワインに含まれる残留農薬がゼロであることを2018年シャンパーニュで初めて発表しました。
繊細にして芳醇、奥深さと複雑性を兼ね備え、味と香りの奥からフィネスが感じられる・・・それが、アンリ・ジローの個性。一流老舗メゾンが集まるアイ村を拠点とし、ブドウ本来のポテンシャルを大切にするシャンパーニュ造りを心がけている。その唯一無二の味を支えているのは、なんといっても良質のブドウにある。アンリ・ジローはアイ村に自社畑を所有し、それらはすべてグラン・クリュに格付けされています。

栽培されるブドウの種類はピノ・ノワールとシャルドネで、今も頑固なまでに守り続ける伝統製法で、ブドウ本来のピュアな味わいを生かしている。ブドウはすべて手摘みで、収穫されたブドウは酸化を防ぐため、すぐに醸造所へ運ばれる。そして不要物は完全に取り除かれ、プレス機にかけられる。
そして低温浸透のあと、シャンパーニュに複雑なアロマをもたらすため、特別にあつらえたアルゴンヌの森産の樫の樽でゆっくりと発酵させるのだ。この特別なオーク樽を使うことで、シャンパーニュにグレープフルーツやバニラ、ココナッツといった複雑な香りが生まれるのである。
ステンレスタンクを一切使用しない自然なワイン製造プロセスは、Ay Grand Cruのテロワールのエネルギーを凝縮し、ピノ・ノワールとシャルドネが素晴らしいワインとなります。それはアルゴンヌのオーク樽、アンフォラ砂岩のタンクの中によって導かれるのです。
そしてラインの中でも、メゾンの哲学が最も反映されているのが『フュ・ド・シェーヌ』。1年間オーク樽にて熟成、長期瓶内熟成の後、澱引きも手作業によって丹念になされるこの1本は、まさに「至高」のシャンパーニュといえます。

広大なアルゴンヌの森はシャンパーニュ地方、ランスやエペルネの東に広がります。アンリ・ジローのシャンパーニュは1625年の創業から現在に至るまで、この森の樫から作られる樽を一次発酵と熟成に使用しています。当主自ら足しげくアルゴンヌの森に通い、樽にする木の選定まで行います。

【アンリ・ジローのシャンパーニュの抜栓方法(一部商品)】

カリフォルニアのロマネ・コンティと呼ばれる「カレラ」のマウント・ハーランシリーズをご案内!

オーナーのジョシュ・ジェンセン氏は、ブルゴーニュのロマネ・コンティでぶどうの栽培のノウハウを学びました。ジョシュはピノ ノワールを北米の偉大な品種ワインの1つとして確立する上で重要な役割を果たしました。そうすることで、彼はカレラを世界で最も尊敬されるワイナリーの1つに作り上げました。愛好家に愛されているカレラは、Wine&Spiritsの「世界のトップ100ワイナリー」の1つとして4回表彰されており、ロバート・パーカーはカレラを「カリフォルニアのロマネコンティ」と呼んでいます。

カレラのマウント・ハーランの畑はモントレー湾から東に25マイルのガビラン山地にあります。太平洋からの冷たい海洋大気が流れ込む、カリフォルニアで最も涼しいぶどう生育地域で、カーネロスより摂氏で平均5~6℃涼しい場所にある畑です(標高平均2200フィート・670m)。
カレラのマウント・ハーランの畑は石灰岩が豊富なこと、そしてぶどう栽培に理想的な気候だったことから選ばれました。


マウントハーランは1990年にA.V.A.(政府認定ぶどう栽培地域)に認定されました。今日、有機認定のマウント・ハーラン・ヴィンヤーズのぶどう畑はニューワールドの貴重なピノ・ノワールの栽培地として認められています。全体をいくつかの区画にわけ、それぞれに名前をつけた畑として管理していますが、そのそれぞれが卓越した純度の高さ、優雅さ、そして熟成の将来性を兼ね備える特色を持つワインを生産する畑として有名です。
2017年には同じくカリフォルニアの大手で交流もあったダックホーングループにワイナリーを売却。以前と変わらぬ品質で高い評価を維持しています。

長期マセラシオンでも飲み難くなく素直な美味しさ

香り、味わい共に開いていて難しさのないのがダリオ・プリンチッチの個性。
ピノ・グリージョは古代クローンで圧倒的な力強さ、骨格を持ち唯一無二の存在です!

1993年に設立されたダリオ・プリンチッチ。フリウリのナチュラルワインの中心人物として、今では欠かせない存在になりました。
しかし、ダリオの実家は貧しい農家でワイン造りなど到底不可能な状態でした。
ではなぜダリオがこのような素晴らしい生産者になれたのでしょうか?

ダリオは友人である故スタンコ・ラディコンやグラヴネルのワインを飲み、その成功を見ているて自然とワイン造りに興味を持つようになります。そして、友人であるスタンコ・ラディコンに学び、ワイン造りを開始しました。
しかし、無名のダリオが造る濁ったワインが売れるわけもなく、地元の数軒のレストランと自分の経営するバールで販売し、生計を立てていました。
90年代、ヴィニタリー会場の通路部分にラディコン達とブースを出し、試飲させますが、その当時のソムリエやバイヤーは理解できず、欠陥ワインと言われ続けたなかで、唯一偏見なく味覚だけでワインを判断したのが日本だったのです。
そこから逆輸入される形で、イタリアのみならず世界中で人気となり、今ではイタリアのナチュラルワインの中心人物にまで成長。畑は10haまで拡張するに至ります。
ラディコン、グラヴネルの重く力強いスタイルで人気となった長期マセラシオンなのに対し、ダリオのワインは若い内から華やかで親しみやすい味わい!
今では30年以上のワイン造りを経験して、ここ最近のダリオのワインは深みを増しています。

土壌は典型的ポンカ。粘土質とシルト(砂岩質)が押し固められ、もろいスレート状になったものが主体で白亜紀~第三紀漸新世の泥灰岩が混じり込んでいます。
ミネラルが豊富で痩せている。適度に水分を保持しながら、水はけも良いので収量は減る。凝縮した果汁を得たい造り手にとっては理想的な土壌とダリオは語っています。
畑は全て自然農法で管理。極少量の銅、硫黄と自家製のコンポストのみが使われます。収穫1か月前まで下草は伸ばされ、畑の周囲には森が残され、生物多様性を維持しています。


果皮のタンニンを使って酸化から守りながら、果皮そのものの要素をできるだけ抽出するという、この地方で昔行われていた醸造をしながら、バランスの良い美味しさを目指しています。地域性を表現していく為に今の醸造に辿り着き、より強く地域性を表現する為、裏山の樫の樹を伐採して大樽を制作。地元の木の樽で熟成させています。
アンフォラが注目されるが、ダリオはコッリオに歴史のないアンフォラに興味はなく、この地域の伝統であるオーク樽、アカシア樽、チェリー樽、栗の木樽での熟成に拘ります。

セレッツィオーネは特に良い年の良い区画の葡萄のみ収穫を2週間遅らせ、通常より長く40日間マセラシオンする事で軽快さよりも重厚さや複雑味を出しています。
通常のトレベツは20日間程度のマセラシオンで、明るい果実と人懐っこく華やかな香りが特徴ですが、セレッツィオーネはラディコンのような力強く重厚なスタイル!
誰もが美味しいと感じる素直な美味しさ。個性を強くしながら、年々、ダリオのワインは完成度を上げています。

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