チリワインといえば思いつくのがコストパフォーマンスが高いことです。その理由として、ブドウが大量生産できること。人件費が安くコストを抑えられること。チリと日本は2007年にEPAが発効されたことにより、チリワインの関税がかからないこと。この3点があげられます。
チリで有名なブドウ品種はカルメネールです。元々はフランスボルドー産だったカルメネールですが、今ではチリがカルメネールの1番の生産国になりました。
味わいとしては、ストロベリー、ラズベリー、チェリー、ブラックベリー、プラムといった赤系果実の香りに、コーヒーやチョコレートのような香ばしい香りもあり、渋みも穏やかでやわらかい飲み口の赤ワインが造られています。
今回、カルメネールを感じられるチリを代表する生産者を紹介します。
エミリアーナ・ヴィンヤーズはギリサスティ・ファ ミリーにより1986年に設立されました。チリ初のバラエタル・ワインをリリースする等、設立当初から チリのワイン業界に剌激を与える革新的なワイナリーでした。
1990年代後半、栽培を担当していたホセ・ギリサスティは、畑仕事をした日、家に帰ると目が赤くなり目まいがしたり、肌が痒くなり、時には頭痛がするなど体の変調に気付くようになりました。「毎日畑で働いているスタッフはどんな健康状態なのだろうか。そもそも、その中で栽培されてるプドウの樹は健全なのだろうか。そのブドウから造るワインは安全なのだろうか。」そんな疑問を持った彼は、家族に有機栽培の製業を提案します。まだ、チリで有機栽培を語る人もいない時代でしたが、家族は自社畑の 一番良い区画を試験的に有機栽培を実践する場として提供しました。
そこから3年経った2001年、その有機栽培の プドウからチリ初のオーガニック認証ワイン「Coyam (コヤム)」が誕生しまし た。そして2年後の2003年、チリ・ワイン・アウォードに出品されたコヤム 2001年ヴィンテージは、「ベストレッド・ブレンド」、そしてその品評会の最高峰である「ベスト・イン・ショー」に選ばれました。この受打がエミリアーナのやってきた有機栽培が間違っていなかった事を証明し、エミリアーナは全ての畑の有機栽培・バイオダイナミック煤法への転換する決意をしたのです。ホセは、南米バイオダイナミック牒法の第一人者であるアルバロ・エスビノーサと共にエミリアーナを世界一大規模な有機栽培&バイオダイナミック農法のワイナリーヘと導いていくことになります。
エミリアーナの畑は全て有機栽培&バイオダイナミック農法で行われていま す。有機栽培は殺虫剤 ・除草剤・化学肥料等の製薬を使用せず、動植物の生態系循環を改善しながら行う農業です。例えば、化学肥料の代わりにブドウの葉・枝・ワイン醸造の後に残ったブドウの皮や梗・動物の排泄物で作った堆肥を使用します。雑草はアルパカ・ガチョウ・馬等の動物が食べ、畑に下草や野菜を植える事で土壌に窒素を与えます。また生態系循環の改善とは、例えば、ブドウに害を与える害虫の生息地になる「動植物の廊下」 をブドウ畑の中に作り、害虫をブドウの木に寄り付かないようにしたり、その害虫を食べる雌鵡やガチョウを畑に放したりする事で、自然の生態系の循環を作り自然の力で安全な股業を行う事です。
【エミリアーナの有機栽培は ECOCERT(エコサート・フランス国際有機栽培認証機関)より認証を受けています】
バイオダイナミック製法とは、オーストリー・ハンガリー帝国出身の哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した自然環境と同調した殷業の形です。太陽や月の天体の動きを基にした牒業暦に基づき、動物・ 植物・鉱物の相互作用から作られる調剤を使用して土壌にエネルギーを与え活性化させ、自然のリズムやエネルギーに同調しながら行う股業です。エミリアーナでは同じ敷地内で栽培したカモミールの花・オークの木の樹皮・タンポポや、水晶等9種類の植物・鉱物等を調合した調剤を使用しています。
【エミリアーナ・ヴィンヤーズはチリのワイナリーで初めて、Demeter(ドイツのバイオダイナミック農法認定機関)から認証を受けたワイナリーです】
2018年、エミリアーナは有機栽培を始めて20周年を迎えました。労働者の健康に疑問を持ったことから始まった有機栽培は、環境、その地域に住む人々を取り巻く総合的なサステイナビリティのプログラムに進化しています。ただ、そのゴールにあるのは心の底から美味しいと言えるワインを造る事。その目的が揺らぐ事は決してありません。環境と人々のハーモニーが美しいワインを造り上げるのです。
コヤム コルチャグア・ヴァレー 2020
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シンクエンタ・イ・シエテ ロカス (57 Rocas) カルメネール 2019
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