☆ アンドレ・ボーフォール ☆

☆ アンドレ・ボーフォール ☆

【ナチュラル・シャンパーニュは、ここから始まった】

1970年代からビオディナミを導入したパイオニア。温度管理無し、野生酵母とモストの糖分のみで瓶内2次醗酵。

1960年代のシャンパーニュでは政府主導で農薬が推奨され、農業の効率化、工業化が進められていました。造り手は農薬に農業の未来を期待していたのです。全ての造り手が農薬に疑いを持っていなかった中、1969年には自然農法を導入したアンドレ・ボーフォール。1971年には全ての農薬の使用を中止してしまいます。湿気が多いので霧が発生し、カビが繁殖しやすいシャンパーニュ。今でもボルドーに次いで農薬の使用量が多いと言われます。無農薬の畑は全体の4%という異常な少なさです。そこで天然のハーブや果物の果皮やオイルで防虫や除草を行い、更に自家製のコンポストで土壌の健康状態を改善していくと葡萄樹は厳しい自然環境に対応できるように変化していきました。

アンドレ・ボーフォールの歴史は古く、1933年まで遡ります。当時は無名だったアンボネイ村でアンドレ氏が葡萄栽培農家として独立。

ビオディナミを推し進めた2代目のカリスマ的醸造家ジャック・ボーフォール。ジャックが拘ったのがドゥミ・セック。自然発酵の結果、自然と糖度が残った場合は除酸をせず、ノン・フィルターで糖度を残したままボトリングします。ドゥミ・セックのシャンパーニュが熟成した時、糖分がメイラード反応により変化し旨味が増します。同時にカラメル化も起こり、他のシャンパーニュにはない世界が広がるのです。
ドサージュには蔗糖は使いません。自分達の畑で収穫した葡萄から造った濃縮したモストを蔗糖の代わりに使ってドサージュする事で葡萄本来の甘味を得ています。

ナチュラル・シャンパーニュの門を開き、多くの業績を残したジャックは現在引退し、アモリーを中心に9人の息子達に引き継がれ、今もジャックの思想が実践されています。グラン・クリュ、アンボネイに1.6haとオーブ県ポリジーにも4.5haを所有。更に南仏ナルボンヌの友人のピノ・ノワールを買い付け、スパークリングワインを造っています。

発酵、熟成は全て500Lの100年の古樽で行います。新樽はローストした時にオークが炭化してしまい、その影響でワインのフレッシュさやアロマを消してしまうので使いません。1次醗酵終了後、古樽で長く熟成してから2次醗酵。蔗糖は使わず、冷蔵保存したモストの糖分と樽内に住み着いている野生酵母のみで2次醗酵を促します。
培養酵母も足さない自然発酵なので彼等にコントロールする事はできない。醗酵が足りず、ガス圧が低ければ、もう1度樽に戻し、酵母を繁殖させて再発酵させる事もあります。ティラージュからデゴルジュマンまで1本1本、全て手作業で行う事が彼等の拘りなのです。

アンドレ・ボーフォール ポリジィ・レゼルヴ ブリュット

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